[1]クレアチンは抜け毛を起こすか、12週間のランダム化比較試験
- 発表年
- 2025年
- 研究機関
- イラン・スポーツ科学研究所
- 掲載誌
- Journal of the International Society of Sports Nutrition
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 38人
- 結果の向き
- 差なし
筋トレをする男性38人で、クレアチンを12週間飲んでも髪の密度・毛包の数・毛の太さはプラセボと差がなかった。

ほぼウソです。髪を直接測った12週間の試験では、髪の密度も太さもプラセボと変わりませんでした。
髪を測った研究は、筋トレをする18〜40歳の男性を調べたこの1本だけです。女性や40歳を超える人、薄毛になりやすい体質の人、12週間より長く飲んだ場合は調べられていません。
12週間の試験の範囲では、飲んでも髪に差は出ていません。薄毛が心配な人は、飲み始める前の髪の状態を写真で残しておくと、変化に気づきやすくなります。抜け毛が気になるときは、皮膚科に相談してください。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 30 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 0 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 71 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本。 この上限により、強度を B から C に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
クレアチンは、肉や魚に含まれ、体の中でもつくられる成分です。筋肉がすばやく力を出すときのエネルギーに関わるとされ、運動の力を高めたい人のサプリメントとして使われています。粉末やカプセルなどの形があり、筋トレをする人によく飲まれています。注意点は、腎臓の病気がある人や薬を飲んでいる人は、飲む前に医師や薬剤師に確認することです。
答えの中心は、イランのスポーツ科学研究所の研究チームが2025年に発表したランダム化比較試験です [1]。くじ引きでクレアチンを飲む人とプラセボ(偽薬)を飲む人に分け、結果を比べる方法です。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験 |
|---|---|
| 対象 | 筋トレをしている18〜40歳の男性(最後まで参加した38人) |
| 比べたもの | クレアチン毎日5 gと、プラセボ(マルトデキストリン5 g)を12週間 |
| 結果 | 髪の密度・毛包の数・毛の太さに差なし |
DHTの値と、DHTとテストステロンの比にも差はありませんでした [1]。
髪は、トリコグラム(抜いた毛を顕微鏡で調べる検査)と、頭皮用の専用機器で測っています。ただし、髪を測った試験はこの1本だけです。人数も38人と多くはありません。「差がなかった」は事実ですが、「誰が飲んでも大丈夫」と言い切れる数ではありません。
「クレアチンでハゲる」という話の出どころは、2009年の試験です。ステレンボッシュ大学(南アフリカ)などの研究チームが、大学生のラグビー選手20人を調べました [2]。毎日25 gを7日間、続けて毎日5 gを14日間飲むと、DHTは7日後に56%増え、14日間の継続でも40%高いままでした。
テストステロンは変わらず、髪の状態は測っていません [2]。
2025年の試験とは、飲んだ量が違います。2009年は最初の7日間に毎日25 gを飲み、2025年は毎日5 gでした。対象と期間も違い、2009年は大学生のラグビー選手が7日間と14日間、2025年は筋トレをしている男性が12週間でした。DHTが上がったとしても、それが髪の変化につながるかは、2009年の試験では確かめられていません。
髪を測った試験は、毎日5 gを12週間飲んだ18〜40歳の男性の1本だけです [1]。女性や、40歳を超える人、12週間より長く飲んだ人は調べられていません。また、薄毛になりやすい体質の人に絞った研究もないため、その人たちに同じ結果が当てはまるかは分かりません。腎臓の病気などの持病がある人や薬を飲んでいる人は、飲む前に医師や薬剤師に確認してください。
原因はほかにもあるため、気になる状態が続くときは皮膚科で相談してください。
髪を直接測った試験では、クレアチンで髪の密度も太さも変わりませんでした。
当てはまるのは筋トレをする若い男性で、薄毛になりやすい体質の人は調べられていません。
心配なら飲み始める前の髪の写真を残して、変化を自分で確かめましょう。
2009年の試験ではDHTが増えましたが、髪は測っていません [[19741313]]。2025年の試験ではDHTも髪も差がありませんでした [[40265319]]。DHTの増加が髪の変化につながるかは、研究では確かめられていません。
体質で薄毛になりやすい人に絞って試した研究がないため、研究では答えられません。不安なら飲み始める前に皮膚科で相談してください。
髪を測った試験は毎日5 gでした [[40265319]]。量を変えたときに髪がどうなるかは、研究では確かめられていません。
薄毛の治療については、[ミノキシジルは何か月で効く?やめたら戻る?](/evidence/minoxidil-timeline)と[フィナステリドは何年効き続ける?](/evidence/finasteride-long-term)で研究を整理しています。気になる状態が続くときは皮膚科で相談してください。
筋トレをする男性38人で、クレアチンを12週間飲んでも髪の密度・毛包の数・毛の太さはプラセボと差がなかった。
ラグビー選手20人で、多めに飲み始めて7日後にDHTが56%増えた。髪は測っていない。
クレアチンの疑問の一つとして抜け毛・薄毛を取り上げたレビュー。要旨に答えの数値はない。
判定「効かない」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。