[1]成人の認知機能に対するクレアチンの効果のメタ解析
- 発表年
- 2024年
- 研究機関
- 中国・貴州師範大学
- 掲載誌
- Frontiers in nutrition
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 492人
- 結果の向き
- 良い方向
ランダム化比較試験16件・492人のまとめ。記憶テストの成績が良くなり、確実性は中程度でした。

少し上がります。偽薬を飲んだ人より、記憶テストの成績が小さく良くなりました。
成人の記憶テストの話です。集中力や徹夜のときの働きは根拠が弱く、うつへの効果は確認されておらず、ADHDは人の試験がありません。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 15 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 25 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 95 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から B に下げました。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
クレアチンは、肉や魚に含まれ、体内でも作られる物質です [3]。筋肉のエネルギー補給に関わるため、筋トレ向けのサプリとして広く使われ、記憶など頭の働きにも役立つとされています。サプリでは、粉末のクレアチン一水和物が研究でよく使われます。注意点は、腎臓に持病がある人、服薬中の人、妊娠中の人は、飲む前に医師や薬剤師に確認することです。
答えの中心は、中国の貴州師範大学などの研究チームが2024年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、複数の試験の結果をまとめて調べる方法です。ランダム化比較試験16件・492人が集められました。
| 研究の種類 | ランダム化比較試験を集めたメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 20.8〜76.4歳の成人492人健康な人と、特定の病気のある人を含む |
| 比べたもの | クレアチン一水和物 / プラセボ(偽薬) |
| 結果 | 記憶テストの成績が改善(標準化平均差 0.31) |
記憶についての研究の確実性は中程度と評価されています。
差は小さめです。標準化平均差は、テストが違っても比べられるよう、成績の差を点数のばらつきで割った値です。45〜65歳の64人の12週間の試験でも、一部の認知機能と記憶の指標が良くなっています [5]。著者は探索的な結果とみています。若い成人22人が6週間飲んだ試験では、記憶などの成績は変わりませんでした [6]。
クレアチンは、細胞のエネルギー(高エネルギーリン酸)に関わる物質で、脳にもあります [7]。21時間眠らずに過ごした研究では、高用量を一度飲むと脳のエネルギー代謝の指標が変わり、認知テストの成績と処理の速さが良くなりました [7]。ただし、飲んだクレアチンは脳に届きにくく、ふつうは数週間続けないと効きにくいと研究者は考えています [7]。記憶が良くなる理由そのものは、確かめられていません。
世間で言われている主な話を、研究と照らして並べます。
クレアチンは、肉や魚などの動物性の食品に含まれます [14]。
欧州食品安全機関(EFSA)は2024年に、クレアチンのサプリと認知機能の改善の因果関係は確立していないと結論しました。作業記憶への効果が見られたのは、1日20gを5〜7日飲んだ研究だけで、少ない量や毎日5gを6週間続けた研究では見られていません [2]。健康な人だけの2023年のメタ解析 [8] には、統計の扱いに問題があるという指摘の手紙も出ています [19]。
量も研究ごとに違います。123人の試験では、毎日5gを6週間飲んでも作業記憶の差は有意に届かず、副作用の報告はクレアチンのほうが多くなりました [4]。腎臓に持病がある人、服薬中の人、妊娠中の人は、始める前に医師や薬剤師に確認してください。
改善が確認されたのは記憶テストの成績で、判断力や総合的な認知機能ではありません。
クレアチンは、飲むと記憶テストの成績が少し良くなることが研究で示されています。
集中力や徹夜のときの働きは根拠が弱く、うつに効くという根拠はなく、ADHDは人の試験がありません。
サプリを試すなら、食事で摂れる量も踏まえて、医師や薬剤師に確認しながら続けましょう。
記憶テストの成績が少し良くなった、という結果です。総合的な認知機能や判断力は、はっきり改善していません [[39070254]]。
若い女性128人の試験では、毎日20gを5日間飲んで記憶が良くなったのは菜食の人だけで、肉を食べる人では差がありませんでした [[21118604]]。菜食の人を対象にした9件のレビューでも成績は良くなりましたが、偏りのリスクは中〜高でした [[32349356]]。
体重70kgの男性で、必要な量の半分までは食事から摂れます [[26874700]]。米国の60歳以上1340人の調査では、食事から1日0.95gより多く摂る人の認知機能テストの成績が高い傾向でしたが、関連を見ただけです [[33866527]]。
うつは、点数が低い傾向はありましたが、確実性は非常に低く、効果は確認されていません [[41189312]]。ADHDは人の試験が見つかっていません。気になる症状は医師に相談してください。
ランダム化比較試験16件・492人のまとめ。記憶テストの成績が良くなり、確実性は中程度でした。
欧州食品安全機関の評価。認知機能の改善との因果関係は確立していないと結論しました。
総説。体重70kgの男性が一日に必要なクレアチンは約2gで、半分までは食事から摂れます。
123人が毎日5gを6週間ずつ飲んだ入れ替え試験。作業記憶の差は有意に届きませんでした。
45〜65歳の64人が12週間飲んだ試験。一部の認知機能と記憶の指標が良くなりました。
若い成人22人が6週間飲んだ試験。反応時間・計算・記憶などの成績は変わりませんでした。
21時間眠らずに過ごした研究。高用量を一度飲むと、認知テストの成績と処理速度が良くなりました。
健康な人のRCT8件のまとめ。記憶テストの成績が良くなりましたが、研究間のばらつきは大きいものでした。
健康な29人が21時間眠らずに過ごした研究。クレアチンを一度飲むと、成績の落ち込みが小さくなりました。
36時間まで眠らない研究。クレアチンが良かったのは複雑な判断の課題だけでした。
健康な14人の試験。長い課題の正確さは上がりましたが、頭の疲れによる成績の低下は防げませんでした。
クレアチンを飲むと、簡単な計算をくり返したときの頭の疲れが減りました。
試験11件・1093人のまとめ。点数は低い傾向でしたが、臨床的に意味のある差には届かず、確実性は非常に低いと評価されました。
総説。食事のクレアチンは主に肉と魚に含まれ、菜食の人は損失のほぼすべてを体内で作る必要があります。
肉の分析。加熱前の鶏肉・牛肉・ウサギ肉は1kgあたり約30mmolで、牛の心臓は22.5、牛レバーは2.3でした。
牛・羊の肉の分析。羊肉を70℃で90分加熱するとクレアチンは減りました。
総説。菜食の人は食事からクレアチンをほとんど摂っていません。
菜食の人を対象にした9件の系統的レビュー。記憶と知能のテストの成績が良くなりましたが、偏りのリスクは中〜高でした。
健康な人の記憶のメタ解析について、統計の扱いに問題があると指摘する手紙です。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。