[1]瞑想が共感・思いやり・親切な行動に与える影響のメタ解析
- 発表年
- 2018年
- 研究機関
- アメリカ・ハーバード大学医学大学院
- 掲載誌
- Mindfulness
- 研究の種類
- システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
- 対象
- 1,714人
- 結果の向き
- 良い方向
瞑想のRCT26件・1,714人のメタ解析で、人を助けるなど実際に観察された親切な行動が小〜中程度に増えた。

実際の親切な行動が、小〜中程度に増えます。偏見や怒りは減りません。
健康な大人が、8〜12週間ほど練習した研究が中心です。1回だけの短い練習や、苦手な人への態度は別の結果です。
優しさを増やしたいなら、慈悲の瞑想を数週間続けてみる価値があります。苦手な人への偏見が減ることまでは期待しないでください。偏見や怒りが気になるときは、練習とは別の工夫が要ります。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 17.7 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 15.1 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 2 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 84.8 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 2 本・RCT のメタ解析 2 本・観察研究 1 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
思いやりのトレーニングは、他人の苦しみに気づき、助けたいという気持ちを育てる練習です。代表的なのが慈悲の瞑想(メッタ)で、自分、親しい人、苦手な人へと、幸せを願う対象を広げていきます。グループ講座やアプリなど、やり方はいろいろあります。
答えの中心は、アメリカのハーバード大学医学大学院などの研究チームが2018年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た研究の結果をまとめて計算し直す方法です。瞑想のランダム化比較試験26件・1,714人が集められました。
| 研究の種類 | 瞑想のランダム化比較試験26件のメタ解析 |
|---|---|
| 対象 | 合計1,714人(健康な大人の研究が中心) |
| 比べたもの | 思いやり・慈悲の瞑想(18件)を中心とした瞑想と、待機・何もしない群(15件)など |
| 結果 | 人を助けるなど実際に観察された親切な行動が小〜中程度に増えた |
本人が答える共感・思いやりの気持ちも、0.40で高まりました。
26件のうち12件は8〜12週間(約2〜3か月)の練習で、グループでの実施が中心でした。
思いやりの教えを含まないマインドフルネスの練習でも、実際の親切な行動は小〜中程度に増えています(29件・3,100人)[3]。つまり、この結果は「思いやりの練習ならでは」とは言い切れません。ただ、9か月の大規模な心のトレーニングでは、注意・相手の視点を取る練習ではなく、思いやりと慈しみを育てる練習だけが、利他的な行動を増やしました [4]。
大人809人のオンライン試験では、慈悲の瞑想の講座を受けた人は、軽い運動の講座の人より寄付を選びやすい傾向がありましたが、はっきりした差ではありませんでした [7]。この試験は脱落が82%と多く、結果の読み方には注意が要ります。
寄付を選びやすい傾向はありましたが、統計的にはっきりした差ではありませんでした。
研究の対象は主に健康な大人で、練習は8〜12週間のグループでの実施が中心です。短期の効果が中心で、何年も続くかは確かめられていません。うつや強い不安、つらい経験がある人は、瞑想で気持ちが揺れることがあります。気になる症状があるときは、医師や心理の専門家に相談してください。
親切な行動は増えても、偏見や怒りは別の話として扱ってください。
思いやりの練習で、実際の親切な行動は小〜中程度に増えます。
効果は瞑想全般を含む結果で、待機群との比較が多い点に注意が要ります。
慈悲の瞑想を数週間続けてみて、偏見や怒りは別の方法で扱いましょう。
研究で多かったのは、8〜12週間(約2〜3か月)のグループでの練習です。毎日の練習量と効果の関係までは、調べた研究が見当たりません。
偏見や攻撃性には効果がみられませんでした [[29402955]]。短い慈悲の瞑想で、偏見にもとづく行動が増えた実験もあります [[38900806]]。
この記事は他人への親切の話です。自分への優しさは、[自分に優しくすると自己肯定感は上がる?](/evidence/self-compassion-self-esteem)で扱っています。
毎日3分の動画を4週間続けた会社員100人の試験で、何もしない群より共感の得点が上がりました [[41480082]]。親切な行動を測った研究ではありません。
瞑想のRCT26件・1,714人のメタ解析で、人を助けるなど実際に観察された親切な行動が小〜中程度に増えた。
思いやりや共感には効果がみられたが、攻撃性・つながり・偏見には効果がみられなかった。
マインドフルネスの練習でも、実際の親切な行動が小〜中程度に増えた(29件・3,100人)。
9か月の心のトレーニングのうち、思いやりと慈しみを育てる練習だけが利他的な行動を増やした。
他人への思いやりの気持ち(質問票)が対照群より中程度に高まった。
共感的な気づかいは高まったが偏見は減らず、偏見にもとづく行動をとりやすかった。
大人809人のオンライン試験で、寄付を選びやすい傾向があったがはっきりした差ではなかった。
229人の実験で、思いやりの課題をしても挑発後の怒りは対照と差がなかった。
100人の会社員で、8週間の慈悲の瞑想をした人は何もしなかった人より利他性が高まった。
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。