[1]乾燥して湿疹が出やすい大人で、角層の脂質を整える保湿剤の効果を調べた試験
- 発表年
- 2022年
- 研究機関
- イギリス・シェフィールド大学
- 掲載誌
- The British journal of dermatology
- 研究の種類
- ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
- 対象
- 34人
- 結果の向き
- 良い方向
乾燥して湿疹が出やすい大人34人に4週間塗り、肌から逃げる水分が平均15.3少なくなりました。

良くなります。塗ると乾燥肌の潤いが増え、肌から逃げる水分が減ります。
乾燥肌・敏感肌の大人に塗った場合の話です。試験は小規模で、メーカー製品が中心、比べた相手もまちまちです。アトピーの重さへの差はごく小さく、飲む場合は別の話です。
乾燥やかさつきが気になるなら、試す価値があります。まず4週間(約1か月)ほど毎日塗って、潤いの変化を見てください。赤みやかゆみが強い、荒れが続くときは、皮膚科で相談を。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 36 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 11.6 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 21.1 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 83.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 7 本。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
セラミドは、肌の一番外側にある角層に含まれる脂質の一つです。水分を保つ働きがあるとされ、化粧水やクリーム、飲むサプリなどに使われます。人の肌にあるものと同じ構造のもの、人工的に似せた「擬似セラミド」など種類があります。注意点は、肌荒れの原因が乾燥以外のときは、保湿だけでは足りないことです。
答えの中心は、乾燥肌・敏感肌の人にセラミド配合の保湿剤を塗ってもらった、ランダム化比較試験7件です。ランダム化比較試験とは、くじ引きで塗る人を分けて結果を比べる方法です。多くは体の左右や左右の脚に、配合ありと比べたものを塗り分けました。
| 研究の種類 | 乾燥肌・敏感肌の人に塗ったランダム化比較試験(7件) |
|---|---|
| 対象 | 乾燥肌・敏感肌の大人(人数が分かる5件は1件24〜58人) |
| 比べたもの | セラミド配合の保湿剤と、配合なしの保湿剤・基剤・何も塗らない脚 |
| 結果 | 7件のうち6件で、潤いやバリア機能が良くなった |
軽度〜中等度の乾燥肌の24人でも、28日間で潤いとバリア機能が親水クリームより良くなりました [2]。
読み方には注意があります。試験はどれも人数が少なく、メーカーの研究者が関わるものが目立ちます。比べた相手も、基剤、一般的な保湿クリーム、何も塗らない脚とまちまちです。「効く」という向きはそろっていますが、「どれくらい良くなるか」は研究ごとに測り方が違い、一つの数字では言えません。根拠の確かさは中程度です。
7件のうち1件は、結果が分かれました。敏感肌の50人を6週間調べた試験では、自覚症状は配合なしの基剤でも同じように良くなりました [3]。セラミド配合の側で肌から逃げる水分が減ったのは、バリアが弱っている人に限られました。
自覚症状は配合なしの基剤と同じで、バリアの改善はバリアが弱い人に限られました。
また、洗剤やテープで人工的に荒らした肌では、肌と同じ脂質入りクリームがワセリンより回復を早める結果は出ませんでした [4]。ワセリンとの違いは、ワセリンで乾燥肌は良くなる?でまとめています。
セラミドを足した保湿剤は、グリセリンだけの一般的な保湿剤と比べて、バリア機能に差が出ました。湿疹の既往がある大人58人が28日間、片腕と片脚に塗り分けた試験では、グリセリン配合の保湿剤は乾燥を減らしたもののバリア機能は変わらず、セラミドなど肌の脂質を配合した保湿剤はバリア機能を高めました [5]。理由は研究ではまだ確かめられていません。角層の脂質を補ってバリアを整えるためと考えられています。
試験で使われたのは、毎日の塗布を4週間(約1か月)から6週間続ける使い方でした。たとえば24人の試験では、すねに28日間毎日塗っています [2]。副作用は要旨ではほとんど述べられていませんが、肌に合わないと感じたら使うのをやめてください。湿疹が広がる、赤みやかゆみが続くときや、持病・服薬中の人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。
乾燥以外に原因がある肌荒れは、保湿剤では良くならないことがあります。
乾燥肌・敏感肌の潤いとバリア機能には、塗るセラミドが効くという結果です。
ただし試験は小規模で、アトピーの重さへの差は平均0.98点とごく小さいです。
まず1か月ほど試し、荒れが続くなら皮膚科に相談しましょう。
研究では確かめられていません。同じ条件で直接比べたヒトの試験は、今回の検索では見つかりませんでした。
試験は4週間(約1か月)から6週間、毎日塗って調べています。何日で変わるかまでは、研究から言えません。
保湿剤だけで足りるとは言えません。重さのスコアの差は平均0.98点と小さく、肌から逃げる水分には差がありませんでした [[37151263]]。治療は医師に相談してください。
必ずとは言えません。潤いやバリアは良くなりますが、荒れの原因が乾燥以外のときは別の対応が必要で、続くときは皮膚科へ。
乾燥して湿疹が出やすい大人34人に4週間塗り、肌から逃げる水分が平均15.3少なくなりました。
軽度〜中等度の乾燥肌の24人で、28日間塗った側の潤いとバリア機能が良くなりました。
敏感肌の50人で、自覚症状は基剤と同じでした。
肌と同じ脂質入りクリームは、ワセリンより回復を早めませんでした。
湿疹の既往がある大人58人で、肌の脂質を配合した保湿剤がバリア機能を高めました。
乾燥肌の人で、セラミド配合ローションの脚は潤いが増えました。
論文5本の統合で、重さのスコアの下がり方は平均0.98点大きい結果でした。
セラミドは偽薬より肌の潤いを増やし、肌から逃げる水分を減らしました。
擬似セラミド配合スプレーを4週間使った群で、角層の水分量が改善しました。
セラミドの量は関係がありそうですが、結果は一定しませんでした。
乾燥してかゆみのある脚の女性で、セラミド配合クリームは肌の潤いを高め、乾燥の見た目と不快感を塗ってすぐから続けて減らした
判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。