セラミドで肌荒れは良くなる?

セラミドで肌荒れは良くなる?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

良くなります。塗ると乾燥肌の潤いが増え、肌から逃げる水分が減ります。

根拠

乾燥肌・敏感肌の人を対象にした小規模なランダム化比較試験7件のうち6件で、セラミド配合の保湿剤は、比べた保湿剤や何も塗らない場合より、潤いやバリア機能が良くなりました [1] [2]。乾燥して湿疹が出やすい大人34人の試験では、肌から逃げる水分が平均15.3少なくなりました [1]。メタ解析はまだありません。

この答えの範囲

乾燥肌・敏感肌の大人に塗った場合の話です。試験は小規模で、メーカー製品が中心、比べた相手もまちまちです。アトピーの重さへの差はごく小さく、飲む場合は別の話です。

じゃあ、どうする?

乾燥やかさつきが気になるなら、試す価値があります。まず4週間(約1か月)ほど毎日塗って、潤いの変化を見てください。赤みやかゆみが強い、荒れが続くときは、皮膚科で相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。10 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン3640いちばん信頼できる研究の種類
研究の量11.620研究件数と参加人数
一致度21.125結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 83.7 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 7 本。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

セラミドとは

セラミドは、肌の一番外側にある角層に含まれる脂質の一つです。水分を保つ働きがあるとされ、化粧水やクリーム、飲むサプリなどに使われます。人の肌にあるものと同じ構造のもの、人工的に似せた「擬似セラミド」など種類があります。注意点は、肌荒れの原因が乾燥以外のときは、保湿だけでは足りないことです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、乾燥肌・敏感肌の人にセラミド配合の保湿剤を塗ってもらった、ランダム化比較試験7件です。ランダム化比較試験とは、くじ引きで塗る人を分けて結果を比べる方法です。多くは体の左右や左右の脚に、配合ありと比べたものを塗り分けました。

研究の種類乾燥肌・敏感肌の人に塗ったランダム化比較試験(7件)
対象乾燥肌・敏感肌の大人(人数が分かる5件は1件24〜58人)
比べたものセラミド配合の保湿剤と、配合なしの保湿剤・基剤・何も塗らない脚
結果7件のうち6件で、潤いやバリア機能が良くなった
試験の結果乾燥して湿疹が出やすい大人34人で、セラミド配合クリームの側は肌から逃げる水分が平均15.3少なくなりました [1]。

軽度〜中等度の乾燥肌の24人でも、28日間で潤いとバリア機能が親水クリームより良くなりました [2]。

読み方には注意があります。試験はどれも人数が少なく、メーカーの研究者が関わるものが目立ちます。比べた相手も、基剤、一般的な保湿クリーム、何も塗らない脚とまちまちです。「効く」という向きはそろっていますが、「どれくらい良くなるか」は研究ごとに測り方が違い、一つの数字では言えません。根拠の確かさは中程度です。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

7件のうち1件は、結果が分かれました。敏感肌の50人を6週間調べた試験では、自覚症状は配合なしの基剤でも同じように良くなりました [3]。セラミド配合の側で肌から逃げる水分が減ったのは、バリアが弱っている人に限られました。

差が小さかった試験敏感肌の大人50人(体の左右で塗り分け)

自覚症状は配合なしの基剤と同じで、バリアの改善はバリアが弱い人に限られました。

また、洗剤やテープで人工的に荒らした肌では、肌と同じ脂質入りクリームがワセリンより回復を早める結果は出ませんでした [4]。ワセリンとの違いは、ワセリンで乾燥肌は良くなる?でまとめています。

何が違う? なぜ効く?

セラミドを足した保湿剤は、グリセリンだけの一般的な保湿剤と比べて、バリア機能に差が出ました。湿疹の既往がある大人58人が28日間、片腕と片脚に塗り分けた試験では、グリセリン配合の保湿剤は乾燥を減らしたもののバリア機能は変わらず、セラミドなど肌の脂質を配合した保湿剤はバリア機能を高めました [5]。理由は研究ではまだ確かめられていません。角層の脂質を補ってバリアを整えるためと考えられています。

よく言われていることは本当?

  • セラミドを塗ると乾燥・かさつきが良くなる本当です。 小規模な試験7件のうち6件で、潤いやかさつきが良くなりました [2] [6]。根拠の確かさは中程度です。
  • セラミドを補うとバリア機能が整い、刺激に負けにくくなる肌から逃げる水分の量は、複数の試験で減りました。 ただし敏感肌50人の試験では、自覚症状は基剤と同じでした [3]。
  • アトピー肌・湿疹のスキンケアにも良い条件によります。 アトピー性皮膚炎の試験をまとめた2023年のメタ解析(論文5本。重さのスコアは2本、肌から逃げる水分は3本で統合)では、セラミド配合のほうが重さのスコアが平均0.98点多く下がり、肌から逃げる水分には差がありませんでした [7]。0.98点は小さな差です。根拠の確かさは低めです。
  • セラミドのサプリを飲むと全身の肌が潤う効きます。 サプリ全体のRCT66件を集めた2022年のメタ解析で、セラミドは偽薬より肌の潤いを増やし、肌から逃げる水分を減らしました [8]。ただしセラミドだけの試験数は要旨に書かれておらず、根拠の確かさは低めです。詳しくは別の疑問で扱います。
  • ヒト型セラミドは擬似セラミドより効果が高い研究が見つかりません。 同じ条件で直接比べたヒトの試験は、今回の検索で見つかりませんでした。擬似セラミド配合のスプレーを4週間使った試験はあります [9]。
  • セラミドは年齢とともに減り、50代では20代の約半分になる研究が見つかりません。 乾燥肌の肌の成分を調べた研究21件のまとめでも、セラミドの量と乾燥の関連は一定しませんでした [10]。

02注意点

試験で使われたのは、毎日の塗布を4週間(約1か月)から6週間続ける使い方でした。たとえば24人の試験では、すねに28日間毎日塗っています [2]。副作用は要旨ではほとんど述べられていませんが、肌に合わないと感じたら使うのをやめてください。湿疹が広がる、赤みやかゆみが続くときや、持病・服薬中の人は、皮膚科の医師や薬剤師に確認してください。

荒れが続くときは保湿だけで済ませない

乾燥以外に原因がある肌荒れは、保湿剤では良くならないことがあります。

03まとめ

乾燥肌・敏感肌の潤いとバリア機能には、塗るセラミドが効くという結果です。
ただし試験は小規模で、アトピーの重さへの差は平均0.98点とごく小さいです。
まず1か月ほど試し、荒れが続くなら皮膚科に相談しましょう。

04よくある質問

Qヒト型セラミドと擬似セラミドで効果は違いますか?

研究では確かめられていません。同じ条件で直接比べたヒトの試験は、今回の検索では見つかりませんでした。

Qどのくらい塗れば変化が分かりますか?

試験は4週間(約1か月)から6週間、毎日塗って調べています。何日で変わるかまでは、研究から言えません。

Qアトピーの治療になりますか?

保湿剤だけで足りるとは言えません。重さのスコアの差は平均0.98点と小さく、肌から逃げる水分には差がありませんでした [[37151263]]。治療は医師に相談してください。

Qセラミドを塗れば肌荒れは必ず治りますか?

必ずとは言えません。潤いやバリアは良くなりますが、荒れの原因が乾燥以外のときは別の対応が必要で、続くときは皮膚科へ。

05参照した論文

判定に使った主な論文(11本)

[1]乾燥して湿疹が出やすい大人で、角層の脂質を整える保湿剤の効果を調べた試験

発表年
2022年
研究機関
イギリス・シェフィールド大学
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
34人
結果の向き
良い方向

乾燥して湿疹が出やすい大人34人に4週間塗り、肌から逃げる水分が平均15.3少なくなりました。

[2]老人性乾皮症で、セラミド配合クリームと親水クリームを比べた試験

発表年
2019年
研究機関
タイ・タマサート大学
掲載誌
Dermatologic therapy
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
24人
結果の向き
良い方向

軽度〜中等度の乾燥肌の24人で、28日間塗った側の潤いとバリア機能が良くなりました。

[3]セラミド配合の保湿剤が敏感肌のバリアに与える影響を調べた試験

発表年
2026年
研究機関
ドイツ・ライプニッツ環境医学研究所
掲載誌
Skin pharmacology and physiology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
50人
結果の向き
結果が割れている

敏感肌の50人で、自覚症状は基剤と同じでした。

[4]傷めた肌で、肌と同じ脂質とワセリンの回復を比べた試験

発表年
2000年
研究機関
スウェーデン・企業の研究部門
掲載誌
Acta dermato-venereologica
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

肌と同じ脂質入りクリームは、ワセリンより回復を早めませんでした。

[5]肌の脂質を補う保湿剤が、アトピーになりやすい大人のバリアに与える影響の試験

発表年
2025年
研究機関
イギリス・シェフィールド大学
掲載誌
The British journal of dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
58人
結果の向き
良い方向

湿疹の既往がある大人58人で、肌の脂質を配合した保湿剤がバリア機能を高めました。

[6]ボディローションが乾燥肌に与える影響を調べた試験

発表年
2026年
研究機関
中国・北京工商大学
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

乾燥肌の人で、セラミド配合ローションの脚は潤いが増えました。

[7]アトピー性皮膚炎で、セラミド配合の保湿剤とほかの保湿剤を比べたメタ解析

発表年
2023年
研究機関
インドネシア・アイルランガ大学
掲載誌
Indian journal of dermatology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究5件を統合
結果の向き
結果が割れている

論文5本の統合で、重さのスコアの下がり方は平均0.98点大きい結果でした。

[8]健康な成人の肌の保湿に対する飲む美容サプリの効果(RCTのメタ解析)

発表年
2022年
研究機関
中国・成都中医薬大学の病院
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

セラミドは偽薬より肌の潤いを増やし、肌から逃げる水分を減らしました。

[9]擬似セラミドの角層への吸収と水分の逃げる量を調べた試験

発表年
2025年
研究機関
日本・企業の研究部門
掲載誌
Journal of cosmetic dermatology
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

擬似セラミド配合スプレーを4週間使った群で、角層の水分量が改善しました。

[10]乾燥肌の肌の成分を調べた研究の系統的レビュー

発表年
2021年
研究機関
ドイツ・シャリテ医科大学
掲載誌
PloS one
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

セラミドの量は関係がありそうですが、結果は一定しませんでした。

The Effect of a Ceramide-Containing Product on Stratum Corneum Lipid Levels in Dry Legs.

発表年
2020年
研究機関
Draelos ZDほかの研究チーム
掲載誌
Journal of drugs in dermatology : JDD
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

乾燥してかゆみのある脚の女性で、セラミド配合クリームは肌の潤いを高め、乾燥の見た目と不快感を塗ってすぐから続けて減らした

ほかに参考にした論文(14本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。