紅茶を毎日飲むと心臓や血管の病気は減る?

紅茶を毎日飲むと心臓や血管の病気は減る?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え良い関連がある

紅茶をよく飲む人は、冠動脈の病気や脳卒中が少ないことと関連しています。

根拠

紅茶を飲む習慣を追った研究14件・958,477人をまとめた解析で、いちばん多く飲む人は冠動脈の病気のリスクが0.89倍でした [1]。スウェーデンの研究でも、毎日4杯以上の人は脳卒中のリスクが0.79倍でした [2]。どちらも観察研究で、紅茶が原因とは言えません。根拠の確かさは低めです。観察研究だけで、地域によって結果が違うためです。

この答えの範囲

紅茶を飲む習慣と病気の関連を見た話です。紅茶が病気を防ぐと確かめた試験はありません。

じゃあ、どうする?

好きなら、毎日の紅茶を続けて大丈夫です。紅茶だけで病気を防げるわけではないので、食事・運動・禁煙が土台です。持病や服薬がある人は、主治医に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。低い
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。12 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。一部で結果が異なる
判定の内訳を見る(スコア 64 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン2440いちばん信頼できる研究の種類
研究の量1920研究件数と参加人数
一致度18.125結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 76.1 点を、エビデンス強度 C の範囲(30〜64 点)に収めて、スコアは 64 点です。 判定に使った研究は、観察研究 4 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

紅茶と心臓・血管の病気とは

紅茶は、茶葉を発酵させて作るお茶です。ポリフェノールを含み、心臓や血管によいとされて、よく話題になります。心臓や血管の病気には、心筋梗塞などの冠動脈の病気や、脳卒中があります。注意点は、よく飲む人の研究が中心で、紅茶が原因かどうかは分からないことです。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、中国の南京医科大学附属第一病院などの研究チームが2026年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、条件に合う研究を集めて結果をまとめる方法です。ここでは、紅茶に限ったコホート研究が集められました。コホート研究とは、多くの人を長く追いかけ、習慣と病気の起こりやすさを比べる方法です。

研究の種類コホート研究のメタ解析(観察研究)
対象一般の成人(14件・958,477人)
比べたもの紅茶をいちばん多く飲む人と、少ない人
結果冠動脈の病気のリスクが0.89倍
まとめて分析した結果紅茶をいちばん多く飲む人は、冠動脈の病気になるリスクが0.89倍と低いことと関連していました [1]。

観察研究だけなので、紅茶が原因とは言えません。

脳卒中と死亡では

スウェーデンで74,961人を平均10.2年追った研究では、紅茶を毎日4杯以上飲む人は、飲まない人より脳卒中のリスクが0.79倍でした [2]。飲む量が増えるほど下がる、という関係は見られませんでした。

心臓や血管の病気による死亡は、紅茶に絞ると差がはっきりしません。21件をまとめた解析で、紅茶を飲む人の死亡は8%少なかったものの、統計的に意味のある差ではありませんでした [3]。一方、英国の成人498,043人を11.2年追った研究では、お茶をよく飲む人ほど、心臓や血管の病気と脳卒中による死亡が少なくなりました [4]。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

同じメタ解析で、地域別に見ると、欧州では低いリスクとの関連が見られましたが、米国では見られませんでした [1]。日本・中国・韓国・シンガポールの12のコホートをまとめた解析でも、紅茶と死亡との関連は弱く、飲む量による一定の傾向はありませんでした [5]。

差がはっきりしなかった解析東アジアの12のコホートをまとめた研究

紅茶と死亡との関連は弱く、飲む量による傾向も見られませんでした。

多く飲むとどうか

多く飲んだときの結果は、研究で分かれています。紅茶の研究11件を含む解析では、毎日4〜6杯を超えるとかえってリスクが上がる可能性も示されました [6]。一方、先ほどの14件のメタ解析では、10杯まで飲む量が増えるほどリスクが下がる関連が示され、上がる傾向は示されていません [1]。多く飲んだ場合の安全な上限は、研究からははっきり言えません。

試験で確かめられていること

病気そのものを減らすかを調べたランダム化試験は、コクランのレビューでは見つかっていません [7]。血圧やコレステロールのような体の数値は、試験で調べられています。

  • 血圧: 13件のメタ解析で、上の血圧が平均1.04mmHg、下の血圧が0.59mmHg下がりました [8]。下がり幅はごく小さい値です。飲んだ直後は一時的に上がる結果もあります [9]。
  • 悪玉コレステロール: 10件・411人のメタ解析で、LDLが平均4.64mg/dL下がりました [10]。別の解析では、統計的に意味のある差は出ておらず、結果は分かれています [11]。

よく言われていることは本当?

  • 毎日飲むと心臓病・脳卒中のリスクが下がるリスクが低いことと関連しています。 ただし観察研究で、紅茶が原因とは確かめられていません [1]。
  • 血圧を下げる下げます。 ただし下がり幅は上の血圧で1.04mmHgとごく小さく、高血圧の対策にはなりません [8]。
  • コレステロールを下げる条件によります。 メタ解析2本で結果が分かれています [10] [11]。

02注意点

研究の多くは、1日に数杯の紅茶を飲む成人が対象でした。スウェーデンの研究では毎日4杯以上で脳卒中のリスクが低く、多く飲んだときの結果は研究で分かれています [2] [6]。お茶についての23本のレビューをまとめた研究では、砂糖を入れないお茶を毎日2杯飲むと、心臓や血管の病気のリスクを下げうると判断されています [12]。心臓や血管の病気、血圧の薬、抗凝固薬などを使っている人は、飲む量を医師や薬剤師に確認してください。

紅茶を薬の代わりにしない

血圧やコレステロールの数値が気になる人は、医師の指導を優先してください。

03まとめ

紅茶をよく飲む人は、冠動脈の病気や脳卒中が少ないことと関連していますが、原因とは確かめられていません。
関連の強さは地域で違い、多く飲んだときの結果は研究で分かれています。
好きな紅茶は無理のない量で楽しみ、病気の予防は食事・運動・禁煙を土台にしましょう。

04よくある質問

Q紅茶は1日に何杯までがよいですか?

研究では結果が分かれています。毎日4〜6杯を超えるとリスクが上がる可能性を示した解析がある一方 [[36505265]]、10杯まで低い関連を示した解析もあります [[41152040]]。上限ははっきりしないので、無理のない量にしましょう。

Q緑茶や砂糖入りの紅茶でも同じですか?

緑茶では、心臓や血管の病気による死亡が少なかった解析があります [[34468722]]。砂糖入りの紅茶は、この記事の研究では確かめられていません。

Q血圧が高い人は紅茶で下げられますか?

下がり幅は上の血圧で1.04mmHgとごく小さく、これだけで下げるのは難しい結果です [[33237083]]。治療は医師の指導に従ってください。

05参照した論文

判定に使った主な論文(12本)

[1]紅茶と冠動脈の病気のリスク:コホート研究のメタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・南京医科大学附属第一病院
掲載誌
Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
958,477人
結果の向き
良い方向

コホート研究14件・958,477人の解析で、紅茶を最も多く飲む人の冠動脈の病気のリスクは0.89倍でした。

[2]紅茶と脳卒中のリスク:女性と男性での研究

発表年
2013年
研究機関
スウェーデン・カロリンスカ研究所
掲載誌
Annals of epidemiology
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
74,961人
結果の向き
良い方向

74,961人を平均10.2年追い、毎日4杯以上の人は脳卒中のリスクが0.79倍でした。

[3]お茶の摂取量と心臓や血管の病気による死亡の用量反応メタ解析

発表年
2021年
研究機関
中国・鄭州大学第一附属病院
掲載誌
Zhonghua xin xue guan bing za zhi
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,304,978人
結果の向き
差なし

紅茶を飲む人の心臓や血管の病気による死亡は8%少なかったものの、有意な差ではありませんでした。

[4]英国バイオバンクにおけるお茶の摂取と死亡

発表年
2022年
研究機関
アメリカ・国立がん研究所
掲載誌
Annals of internal medicine
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
498,043人
結果の向き
良い方向

498,043人を11.2年追い、お茶をよく飲む人ほど心臓や血管の病気・脳卒中による死亡が少なくなりました。

[5]アジアのコホート連合における、コーヒー・お茶と死亡の統合解析

発表年
2022年
研究機関
韓国・中央大学
掲載誌
International journal of epidemiology
研究の種類
コホート研究生活習慣などの違いで集団を分け、長い期間追いかけて比べる研究。
対象
—
結果の向き
差なし

紅茶と死亡との関連は弱く、飲む量による一定の傾向はありませんでした。

[6]お茶の摂取と冠動脈の病気の予防:用量反応メタ解析

発表年
2022年
研究機関
中国・重慶医科大学
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
結果が割れている

毎日4〜6杯を超えるとリスクが上がる可能性も示されました。

[7]心臓や血管の病気の一次予防における緑茶と紅茶

発表年
2013年
研究機関
イギリス・ウォーリック大学
掲載誌
The Cochrane database of systematic reviews
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
差なし

病気の発症を調べたランダム化試験は見つかりませんでした。

[8]紅茶が血圧に与える影響:ランダム化試験のメタ解析

発表年
2021年
研究機関
中国・山東大学
掲載誌
Food & function
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究13件を統合
結果の向き
良い方向

13件の解析で、上の血圧が平均1.04mmHg、下の血圧が0.59mmHg下がりました。

[9]フラボノイドと心臓や血管の病気のリスク:ランダム化試験のメタ解析

発表年
2008年
研究機関
イギリス・イースト・アングリア大学
掲載誌
The American journal of clinical nutrition
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
—
結果の向き
悪い方向

紅茶を飲んだ直後は、上の血圧が5.69mmHg上がりました。

[10]紅茶とコレステロール:ランダム化試験のメタ解析

発表年
2015年
研究機関
中国・浙江大学
掲載誌
Clinical nutrition (Edinburgh, Scotland)
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
411人
結果の向き
良い方向

10件・411人の解析で、LDLコレステロールが平均4.64mg/dL下がりました。

[11]紅茶と血中コレステロール:15件のランダム化試験のメタ解析

発表年
2014年
研究機関
中国・Wang Dほかの研究チーム
掲載誌
PloS one
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究15件を統合
結果の向き
差なし

LDLコレステロールは平均4.56mg/dL低かったものの、統計的に意味のある差ではありませんでした。

[12]お茶と心臓や血管の病気:アンブレラレビュー

発表年
2021年
研究機関
アメリカ・ジョージ・メイソン大学
掲載誌
Annals of medicine
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

砂糖を入れないお茶を毎日2杯がリスクを下げうると判断しました。

ほかに参考にした論文(13本)

判定「良い関連がある」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。