アシュワガンダは男性ホルモンを増やす?

アシュワガンダは男性ホルモンを増やす?
読了目安 4〜6分最終更新日 2026.11.06
答え効く

男性のテストステロンは増えます。増え方は小さく、正常範囲内です。

根拠

プラセボと比べた試験をまとめたメタ解析が2本あり、どちらもテストステロンが増えたと報告しています。1本は男女を含む23件・1,706人で、男性でだけ増えました [1]。もう1本は成人20件・1,249人で、増え方は標準化平均差0.33と小さめでした [2]。ただし運動習慣のある成人83人の試験では、プラセボと差がありませんでした [3]。

この答えの範囲

成人男性の血液中の数値の話です。女性では増えません。

じゃあ、どうする?

ストレスや疲れが気になって使うなら、テストステロンが少し増えることがおまけで付いてくる、と考えるのが研究に近い見方です。男性ホルモンを上げる目的だけで飲んでも、大きな変化は期待できません。持病や服薬がある人、妊活中の人は、先に医師や薬剤師に相談を。

この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。

根拠の確かさ

エビデンス強度研究の種類・数・結果のそろい方から、根拠の確かさを「高い・中程度・低い・限定的」の4段階で示します。中程度
根拠の論文判定に使った論文の数です。まとめ論文 (多くの試験を集めたもの) も 1 本と数えます。12 本
研究間の一致研究どうしの結果が、同じ方向にそろっているかを示します。おおむね一致
判定の内訳を見る(スコア 84 / 100)
項目点配点何を見るか
研究デザイン4040いちばん信頼できる研究の種類
研究の量17.320研究件数と参加人数
一致度19.825結果の向きがそろっているか
新しさ1010最新の研究が何年以内か
精度55信頼区間が「差なし」をまたがないか

合計 92.1 点を、エビデンス強度 B の範囲(55〜84 点)に収めて、スコアは 84 点です。 判定に使った研究は、ランダム化比較試験 1 本・RCT のメタ解析 1 本・観察研究 1 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「中程度」で、これを強度の上限にしています。 この上限により、強度を A から B に下げました。

配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。

アシュワガンダとは

アシュワガンダは、インドの伝統医学で使われてきたハーブです。ストレスや疲れを和らげるとされ、根のエキスのサプリなどがあります。研究では、成分をそろえた根のエキスがよく使われています。男性ホルモンの代表がテストステロンで、筋肉や性欲、精子づくりに関わります。

目次
  1. 01研究でわかったこと
  2. 02注意点
  3. 03まとめ
  4. 04よくある質問
  5. 05参照した論文

01研究でわかったこと

答えの中心は、ポーランドのポズナン医科大学などの研究チームが2026年に発表したメタ解析です [1]。メタ解析とは、似た試験の結果を集めて数字でまとめる方法です。アシュワガンダとプラセボを比べたランダム化比較試験23件・1,706人が集められました。

研究の種類ランダム化比較試験のメタ解析
対象成人(23件・1,706人。男女を含む)
比べたものアシュワガンダとプラセボ(偽薬)
結果男性ではテストステロンが平均57.43 ng/dL多く、女性では差がなかった
まとめて分析した結果男性では、プラセボよりテストステロンが平均57.43 ng/dL多くなりました。女性では差がありませんでした [1]。

中国の青海大学などが2026年に発表した別のメタ解析(20件・1,249人)も、増え方は標準化平均差0.33と小さめでした [2]。

この平均57.43 ng/dLには、論文の要旨に信頼区間が示されていません。別のメタ解析の標準化平均差0.33は、信頼区間が0.13〜0.54で、増える向きははっきりしています。ただしこちらは、男女を分けない成人全体の値です。

増えた値は正常範囲内

健康な成人の試験23件・2,317人の安全性レビューでは、テストステロンの増加は正常な範囲の中にとどまっていました [4]。「足りない人が正常に戻る」のか「正常な人がさらに増える」のかは、これらの研究からは分かりません。

ほかの研究では、結果が異なる場合も

運動習慣のある健康な成人83人に、徐放型の根のエキス300 mgを1日1回、90日間飲んでもらった2026年の試験では、男性のテストステロンは飲む前より増えましたが、プラセボと差はありませんでした [3]。この試験は、製品をつくる企業の研究部門が行ったものです。ストレスを感じている成人60人の試験でも、男性は飲む前より増えたのに、プラセボとの差は有意ではありませんでした [5]。

プラセボと差がなかった試験運動習慣のある健康な成人 83人

男性では飲む前より増えましたが、増え方はプラセボと同じ程度でした。

よく言われていることは本当?

  • 男性ホルモン(テストステロン)を増やす増やします。 ただし増え方は小さく、値は正常範囲内です [1] [4]。
  • 精子の数・運動率を上げて妊活に役立つ8週間で精液の質が良くなった試験があります。 健康な30〜50歳の男性76人の試験では、精液の量が36%、精子の総数が38%、運動する精子が87%増えました [6]。100人の試験でも、精液の量・精子の数・濃度・形が良くなりました [7]。不妊の男性では、比較の群がない研究が中心で、飲む前より精子の濃度が平均13.57百万個/mL増えています [8]。妊娠できる確率が上がるかは、確かめられていません。
  • 性欲・精力を高める条件によります。 健康な男性や性欲が低めの男性の8週間の試験では、質問票の点数がプラセボより良くなりました [6] [7] [9]。一方、疲れのある中高年男性57人の試験 [10] と、心因性の勃起障害の男性86人の試験 [11] では、プラセボと差がありませんでした。
  • ストレスホルモン(コルチゾール)を下げるので男性ホルモンが戻る研究が足りません。 コルチゾールが下がったこと自体は報告されていますが [4]、それがテストステロンを上げる道すじだと確かめたヒトの研究は見つかりませんでした。

02注意点

精液の質を調べた試験の一つでは、健康な30〜50歳の男性に、根のエキス300 mgを1日2回、8週間飲んでもらっています [7]。根のヒト試験30件を集めた系統的レビューでは、重い副作用は報告されていませんでした [12]。一方、2026年の試験には、製品をつくる企業の研究部門が行ったものがあります [3]。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中や妊活中の人は、医師や薬剤師に確認してください。

数字が増えても、体の変化とは別の話

血液中のテストステロンが増えることと、筋肉や性機能が良くなることは、別に確かめる必要があります。

03まとめ

男性のテストステロンは増えますが、増え方は小さく、正常範囲内です。
女性では増えず、運動習慣のある成人ではプラセボと差がなかった試験もあります。
使うなら、男性ホルモンよりストレスや疲れが目的だと考えて、体調に合わせて選びましょう。ストレスへの効き目はアシュワガンダでストレスは減る?で確かめています。

04よくある質問

Qどのくらいの期間で増えますか?

試験の多くは8週間から90日間の使用で、血液の数値を調べています。何日で増えるかは、研究からは言えません。

Q女性が飲むとテストステロンは増えますか?

増えません。メタ解析で、女性では差がありませんでした [[41740946]]。

Qテストステロンが低い人の治療になりますか?

研究では確かめられていません。低い人を対象に、正常に戻るかを調べた結果は、今回の研究には含まれていません。気になる症状は、医師に相談してください。

05参照した論文

判定に使った主な論文(12本)

[1]アシュワガンダによるホルモンへの影響:RCTのメタ解析

発表年
2026年
研究機関
ポーランド・ポズナン医科大学
掲載誌
Planta medica
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,706人
結果の向き
良い方向

23件・1,706人の試験をまとめ、男性ではテストステロンが平均57.43 ng/dL多く、女性では差がなかった。

[2]成人の認知機能と身体機能に対するアシュワガンダの効果:メタ解析

発表年
2026年
研究機関
中国・青海大学
掲載誌
Frontiers in pharmacology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
1,249人
結果の向き
良い方向

20件・1,249人のメタ解析で、テストステロンの増え方は標準化平均差0.33と小さめだった。

[3]運動習慣のある人への徐放型アシュワガンダ根エキスの筋力・持久力への効果

発表年
2026年
研究機関
インド・企業の研究部門
掲載誌
Frontiers in nutrition
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
83人
結果の向き
差なし

運動習慣のある成人83人の試験で、男性のテストステロンの増え方はプラセボと差がなかった。

[4]健康な成人における標準化アシュワガンダ根エキスの安全性と飲みやすさ

発表年
2026年
研究機関
スペイン・ラモン・リュイ大学
掲載誌
Pharmaceuticals (Basel, Switzerland)
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

健康な成人の試験23件・2,317人のレビューで、テストステロンの増加は正常な範囲内だった。

[5]アシュワガンダ抽出物のストレス軽減作用と薬理作用を調べた二重盲検試験

発表年
2019年
研究機関
オーストラリア・マードック大学
掲載誌
Medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
差なし

ストレスを感じている成人60人の試験で、男性のテストステロンはプラセボとの差が有意ではなかった。

[6]健康な男性の性の健康に対するアシュワガンダ根エキスの効果と安全性

発表年
2026年
研究機関
インド・アマン病院研究センター
掲載誌
Frontiers in reproductive health
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
76人
結果の向き
良い方向

健康な30〜50歳の男性76人の8週間の試験で、精液の量・精子の総数・運動する精子が増えた。

[7]健康な男性の性の健康に対する8週間のアシュワガンダ根エキスの効果

発表年
2025年
研究機関
インド・政府グラント医科大学
掲載誌
Journal of Ayurveda and integrative medicine
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
100人
結果の向き
良い方向

健康な30〜50歳の男性100人の8週間の試験で、精液の量・精子の数・濃度・形が良くなった。

[8]男性不妊に対するアシュワガンダ:系統的レビューとメタ解析

発表年
2018年
研究機関
インド・Durg Sほかの研究チーム
掲載誌
Phytomedicine : international journal of phytotherapy and phytopharmacology
研究の種類
システマティックレビュー・メタ解析関連する試験を決まった方法で集め、結果をまとめて分析した研究。
対象
研究4件を統合
結果の向き
良い方向

不妊の男性の前後比較の研究をまとめると、精子の濃度が平均13.57百万個/mL増えた。

[9]Effect of standardized root extract of ashwagandha (Withania somnifera) on well-being and sexual performance in adult males: A randomized controlled trial.

発表年
2022年
研究機関
インド・Chauhan Sほかの研究チーム
掲載誌
Health science reports
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

性欲が低めの男性50人の8週間の試験で、テストステロンがプラセボより増えた (メタ解析の検索期間より前の試験のため背景として表示)

[10]太りぎみの中高年男性のホルモンと活力へのアシュワガンダの効果

発表年
2019年
研究機関
オーストラリア・マードック大学
掲載誌
American journal of men's health
研究の種類
ランダム化比較試験(クロスオーバー)参加者が順番を変えながら複数の条件を体験し、結果を比べる試験。
対象
—
結果の向き
良い方向

疲れのある40〜70歳の男性57人の試験で、性の面の満足感はプラセボと差がなかった。

[11]Efficacy of Ashwagandha (Withania somnifera Dunal. Linn.) in the management of psychogenic erectile dysfunction.

発表年
2011年
研究機関
インド・Mamidi Pほかの研究チーム
掲載誌
Ayu
研究の種類
ランダム化比較試験参加者をくじ引きのように分け、条件の違いによる結果を比べる試験。
対象
86人
結果の向き
差なし

心因性の勃起障害の男性86人の60日間の試験で、勃起機能の点数の改善はプラセボと差がなく、どちらも効果は乏しかった

[12]Safety and clinical effectiveness of Withania Somnifera (Linn.) Dunal root in human ailments.

発表年
2020年
研究機関
インド・インド医学研究評議会
掲載誌
Journal of ethnopharmacology
研究の種類
システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
対象
—
結果の向き
良い方向

アシュワガンダの根のヒト試験30件の系統的レビューで、男性不妊の試験は6件あり、重い副作用は報告されていなかった

ほかに参考にした論文(17本)

判定「効く」は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。