[1]閉塞性睡眠時無呼吸への体位療法のコクラン・レビュー
- 発表年
- 2019年
- 研究機関
- インド・国立精神衛生・神経科学研究所
- 掲載誌
- The Cochrane database of systematic reviews
- 研究の種類
- システマティックレビュー関連する研究を決まった方法で集め、結果を整理した研究。
- 対象
- 251人
- 結果の向き
- 良い方向
体位療法と何もしない場合を比べ、呼吸が止まる・浅くなる回数が一時間あたり平均7.38回少なかった。確実性は低い。

何もしない場合と比べて、呼吸が止まる・浅くなる回数が一時間あたり平均7.38回減りました。日中の眠気も軽くなりました。
閉塞性睡眠時無呼吸の人、主に仰向けで悪化するタイプで確かめた結果です。研究で使われたのは、市販の横向き寝枕そのものではなく、振動する装置や専用の器具です。
診断を受けて仰向けで悪化するタイプと分かった人が、CPAPが合わないときに試す選択肢です。回数を減らす力はCPAPより弱いので、自己判断でCPAPをやめて置き換えないでください。治療の選び方は、睡眠外来で相談を [1]。
この記事は、成分や方法について公開されている研究を整理したものです。特定の商品の効果を評価したものではなく、個別の診断・治療の助言でもありません。
| 項目 | 点 | 配点 | 何を見るか |
|---|---|---|---|
| 研究デザイン | 40 | 40 | いちばん信頼できる研究の種類 |
| 研究の量 | 16.5 | 20 | 研究件数と参加人数 |
| 一致度 | 9.7 | 25 | 結果の向きがそろっているか |
| 新しさ | 10 | 10 | 最新の研究が何年以内か |
| 精度 | 5 | 5 | 信頼区間が「差なし」をまたがないか |
合計 81.2 点を、エビデンス強度 D の範囲(5〜39 点)に収めて、スコアは 39 点です。 判定に使った研究は、RCT のメタ解析 2 本。 論文の著者自身による確実性の評価は「低い」で、これを強度の上限にしています。
配点の決まりは 評価方法について に公開しています。計算はプログラムが行い、広告や商品のデータは使いません。
体位療法は、仰向けで寝るのを避けて横向きで寝るようにする方法です。睡眠時無呼吸には、仰向けのときに悪化するタイプがあり、そのタイプで使われます。仰向けになると振動で知らせる装置、専用の枕、リュック型の器具などがあります。医療機器として使われるもので、治療の中心はCPAPです。注意点は、枕だけで治ると考えて受診が遅れることです。
答えの中心は、インドの国立精神衛生・神経科学研究所などの研究チームが2019年に発表したコクラン・レビューです [1]。コクラン・レビューとは、決めた手順で比較試験を集めて結果を整理する方法です。体位療法の研究8件が集められ、振動する装置が3件、専用の枕やリュック型の器具が5件でした。いずれも短期間の研究です。
| 研究の種類 | 体位療法を調べた比較試験のコクラン・レビュー |
|---|---|
| 対象 | 閉塞性睡眠時無呼吸の人(251人) |
| 比べたもの | 体位療法と、何もしない場合 |
| 結果 | 呼吸が止まる・浅くなる回数が一時間あたり平均7.38回少ない(研究の確実性は低い) |
統計的にも差があると報告されていますが、研究の確実性は低いとされています。
中国の北京積水潭病院などの研究チームが2025年に発表したメタ解析は、ランダム化比較試験19件・1,231人をまとめました [2]。体位療法は、プラセボと比べて仰向けで寝ているときの回数を一時間あたり平均7.46回減らしました。ところが一晩全体の回数では、プラセボとの差がありませんでした。
仰向けのときの回数は減りましたが、一晩全体の回数はプラセボやマウスピースと差がありませんでした。
CPAPと比べた研究1件では、自己申告の使い続けた時間が体位療法のほうが一晩あたり2.5時間長くなりました [1]。仰向けのときだけ無呼吸が起こる人の試験でも、一晩に使った時間は装置が5.7時間、CPAPが3.9時間でした [5]。日中の眠気の点数(エプワース眠気尺度)は、何もしない場合と比べて平均1.58点下がりました。研究2件のまとめで、確実性は中程度です [1]。
研究の対象は、検査で閉塞性睡眠時無呼吸と診断された人です。使われた期間は短く、長く使い続けたときの効果は分かっていません [1]。体位療法は仰向けで悪化するタイプ向けで、仰向けに限らず起こるタイプでは同じ結果は期待できません。症状があるのに診断を受けていない人や、持病・服薬がある人は、医師に相談してください。
いびきや日中の眠気が続くときは、グッズを試す前に睡眠外来で検査を受けてください。
横向き寝グッズを使うと、何もしない場合より無呼吸の回数が減り、日中の眠気も軽くなりました。
当てはまるのは、検査で仰向けで悪化すると分かった人です。
CPAPの代わりにする前に、医師と治療を決めましょう。
研究では確かめられていません。研究で使われたのは振動する装置や専用の器具で、市販の横向き寝枕そのものを調べた研究は見つかっていません。診断を受けて、医師と治療を決めてください。
横向き寝単独の効果を調べた研究は見つかっていません。いびき全般の方法は[いびきに効く方法は?](/evidence/snoring-remedies)で紹介しています。
呼吸が止まる・浅くなる回数の減り方は、CPAPのほうが大きい結果です。CPAPとの比較(3件・72人)のうち研究2件のまとめで、体位療法の減り方は一時間あたり平均6.4回小さくなりました [[31041813]]。自己申告の使い続けやすさは体位療法が上でした。
ネットワーク・メタ解析では、回数は体位療法で一時間あたり10.05回、マウスピースで10.76回減り、同じくらいでした [[41957614]]。マウスピースは[マウスピースはいびきに効く?](/evidence/oral-appliance-snoring)で扱っています。
体位療法と何もしない場合を比べ、呼吸が止まる・浅くなる回数が一時間あたり平均7.38回少なかった。確実性は低い。
仰向けでの回数は平均7.46回減ったが、一晩全体の回数ではプラセボと差がなかった。
2か月の試験 (101人)。装置を使った群は18回から10回に減り、使わない群は20回から18回だった。
8週間ずつ試した40人で、回数はCPAPで4.0回、装置で13.0回だった。
日中の眠気の改善は装置 (平均1.9点) がCPAP (2.4点) に劣らず、使用時間は5.7時間と3.9時間だった。
この記事のエビデンス強度は、公開している評価方法に沿ってプログラムが算出しています。